クラブを見極めよう Vol2


費用と出資口数


@ 募集馬の価格
 クラブ募集馬の価格は仕入れた時の金額より高くのが普通です。仕入額にいくら上乗せして販売するか?この差額がクラブの収入源になるわけですから仕方ないところです。上乗せ方はクラブによって、または募集馬によってさまざまです。どの程度の上乗せなら良心的か?一概には言えませんが、個人的には2000〜3000万円も上乗せしているようですと高いなぁと思います。馬の価格にも適正価格があります。なるべく適正価格に近くて良質な馬に出資したいものです。ところが馬の適正価格というものは非常にわかりにくい。どうしましょう?
 方法は2つ考えられます。
 1つ目は、なるべく多くのクラブのパンフレットを取り寄せて、似たような血統の馬の価格を比較してみることです。もちろん募集馬の馬体や牝系の活躍度合などで価格は変わってきますが、おおよその目安にはなります。
 2つ目は、市場取引(セリ)の落札金額をチェックすることです。競馬情報誌やインターネットで落札価格が公開されていますので参考になります。出資予定馬が市場取引馬の場合は、その落札価格と募集価格を比べてみると良いでしょう。いくら上乗せされているかバッチリわかりますよ。


A 入会金と一般会費と維持会費
 入会金についてはかなりの差があるように思えます。安いところは1万円、高いところは3万円です。クラブによっては期間限定で入会金無料キャンペーンを行っています。
 一般会費は月々2500〜4000円です。3000円に設定しているクラブが多いようです。
 維持会費とはカイバ代などの預託料のことです。この金額は馬ごとに違ってくるので、多くのクラブでは余剰金がある場合は馬名抹消時に精算することになっています。つまり実費を出資口数に応じて支払うことになるので、あまり気にすることはないでしょう。ただ、維持会費が発生する時期がクラブによって異なります。多くのクラブは2歳の1月から支払が始まります。


B クラブ手数料
 出資馬がレースで獲得した賞金は、調教師・騎手・厩務員への進上金・源泉税・クラブ手数料・消費税を控除した金額を出資口数に応じて出資者に分配されます。賞金に対する進上金の割合は決まっているので、どのクラブでも同じように控除されます。
 ところがクラブ手数料はクラブによって異なります。おおよそ賞金の2〜5%で、重賞など特別レース勝ちの場合はアップすることが多いようです。当然のことながらクラブ手数料が低い方がクラブ会員の配当が多くなります。しかし消費税の控除の有無などにより、同じ条件のレースでもクラブ手数料が高い方が高配当になるケースもありますので気をつけてください。また、口座への振込手数料を徴収するクラブもありますので、それによって受け取る配当金額が変わる場合があります。


C 保険料
 出資馬も怪我をしたり病気になったり、死んでしまうこともあります。競走馬は高額ですから何も補償もないのは不安です。そこで出資馬は保険に入ります。通常2〜4歳時に年1回。馬の代金によって保険金は変わりますし、保険の加入率と保険料率もクラブによって異なります。


D 出資馬の補償
 出資馬のすべてが無事にデビューできるわけではありません。またデビューしても未勝利で引退することもあります。出資馬が未出走や未勝利で終わってしまった場合のため、クラブでは補償制度を用意しています。
 しかしクラブによってその補償方法や補償金額や補償割合がバラバラです。見落とし勝ちですが、万が一のためにもチェックしておいた方が良いでしょう。


E 募集口数
 募集馬を何口に分割して販売するか?ということです。これもクラブによってさまざまで、また同じクラブでも募集馬の価格や募集馬ごとに異なることもあります。少ない場合は40口、多い場合は1500口。募集馬の価格にもよりますが、1口出資する場合、募集口数が少ないほど出資金は高くなります。そして維持会費や保険料の負担も大きくなります。そのかわり配当金が高くなり、よりリアルな馬主気分を味わえます。募集口数が多い場合はこの反対です。皆さんの予算に応じて判断しましょう。あるクラブ(多分、ターファイトクラブ)のスタッフの方は「1/100口くらい出資しないと配当の旨みがない。」とおっしゃっていましたが、初めて一口馬主に出資される方は値段が安い500口募集からスタートすると良いでしょう。
 また募集馬によっては総募集口数のうちの何口かを、その馬を生産した牧場が所有している場合があります。これは生産牧場がその募集馬に期待をよせている証拠で、出資馬選定の際には好材料と判断できます。ただ、その牧場がたまたま馬主資格を持っていないので何口かを所有しているケースもありますので、ご注意下さい。
 1頭の募集馬への出資口数は1口に限定されているわけではありません。クラブによって上限は設定されていますが、複数口出資も可能ですし、複数頭に出資してもOKです。しかし出資するのは1頭だけで、かつその1頭に複数口出資するのは危険です。勝ち上がれる馬の方が少ないのですし、運悪くその出資馬がデビューすらできなかったら目も当てられません。そこで複数口出資できる余裕があるのであれば、複数馬に分けて出資することをオススメします。出資馬が複数いればリスクを分散できますし、出資馬が出走するレースが増える可能性が高いので、馬主気分を楽しめる機会も増えます。
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